書誌事項
- タイトル別名
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- Follow-up of nonrefractive accommodative esotropia with myopia 22 years
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説明
【目的】近視を伴う非屈折性調節性内斜視の1例を22年間という長期期間に渡り経過観察したので報告する。<br>【症例】5歳女児。初診時眼位は、遠見8⊿X(T)、近見25⊿ET'2⊿LHT'。1%アトロピン硫酸塩による調節麻痺下での屈折検査にて両眼+1.00Dの軽度遠視をみとめ、両眼視機能は遠見のみ立体視を確認できた。8歳3ヶ月時の屈折値は両眼約-1.50Dとなり、眼位は遠見18⊿X(T)16⊿LH(T)、近見13⊿E(T)'3⊿LH(T)'、近見+3.00D加入では15⊿XP'。AC/A比は9.3⊿/Dであった。8歳5ヶ月時に、近見の内斜視が顕性化したため、斜位維持を目的に単焦点眼鏡の下部に両眼10⊿Base outのフレネル膜を張付した。<br> 同年、遠見の外斜視に対し左眼の内直筋短縮術、外直筋後転術を施行。遠見の外斜視はほぼ消失したが、近見の内斜視は25⊿ETと増加した。術後、近見眼位を矯正するため近見使用部に+3.00D加入の二重焦点眼鏡を処方した。その後は眼鏡とフレネル膜で眼位を矯正し経過観察を続けた。現在27歳5ヶ月の屈折値は両眼約-5.75Dであるが単焦点眼鏡を希望しているため、両眼約-5.00Dの近視低矯正眼鏡を使用しており、眼位は遠見、近見共に安定し両眼視も良好である。<br>【考案】非屈折性調節性内斜視は成人になり近視化しても高AC/A比は残存し、完全治癒は困難であることが多い。治療の第一選択は二重焦点眼鏡の装用であるが、近視の場合、遠見視力を多少犠牲にすることで単焦点眼鏡への移行も可能である。また、QOLを高めるために患者の意見も考慮し、眼位の変動及び屈折値の両方の側面を考慮した治療法の選択が求められる。
収録刊行物
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- 日本視能訓練士協会誌
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日本視能訓練士協会誌 44 (0), 171-175, 2015
公益社団法人 日本視能訓練士協会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204245911552
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- NII論文ID
- 130005137609
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- ISSN
- 18839215
- 03875172
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可