市川式ランタンテストによる異常3色覚者の程度判定に関する検討

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of severity of the color vision defect using the Ichikawa lantern test in anomalous trichromats

この論文をさがす

説明

目的:先天赤緑色覚異常者に対し、Lanthony desaturated panel D-15 test(desaturated test)及び市川式ランタン(ランタン)を行い、程度判定の成績について検討した。<BR>対象および方法:対象は、アノマロスコープで異常3色覚と診断されpanel D-15をpassした中で、矯正視力1.0以上、眼疾患を認めない159例(1型3色覚者53例、2型3色覚者106例)である。ランタンの成績(9組中の誤答数)を3/9以下(成績良好群)と4/9以上(成績不良群)の2群に分け、両群でdesaturated testの成績(passもしくはfail)に差があるかについて、フィッシャーの直接確率検定またはχ2検定を行った。有意水準5%未満を有意差ありとした。<BR>結果:1型3色覚の成績良好群(n=12)では、desaturated testをpassが11例でfailが1例、成績不良群(n=41)では、desaturated testをpassが24例でfailが17例であった。成績良好であれば、passする割合が有意に(p=0.03)高かった。2型3色覚の成績良好群(n=36)ではdesaturated testをpassが33例でfailが3例、成績不良群(n=70)では、desaturated testをpassが56例でfailが14例で有意差(p=0.10)はなかったが、1型3色覚と同様な傾向がみられた。<BR>結論:市川式ランタンは、desaturated testで検出するよりもさらに軽度な色覚異常の検出に有用である可能性が考えられた。

収録刊行物

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ