拮抗能を持つ放線菌を利用したフザリウム病害の抑制 : 第5報:拮抗微生物資材Aによるダイコン萎黄病の抑制機構

書誌事項

タイトル別名
  • Control of Fusarium diseases using antagonistic Actinomycetes : V. Mechanisms of control of radish yellows with microbial inoculum (Material A)
  • キッコウノウ オ モツ ホウセンキン オ リヨウシタ フザリウム ビョウガイ

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抄録

(1)拮抗微生物資材A(資材A)の土壌施用によるダイコン萎黄病(病原菌Fusayium oxysporum f. sp. yaphani)抑制の機構を土壌静菌作用の観点から調査した。(2)土壌を47℃で90分間熱処理することにより,土壌中のF. oxysporum厚膜胞子密度を比較的正確に測定する方法を考案し,全F. oxysporum密度と厚膜胞子密度の動態調査に用いた。(3)ポット試験の結果,資材A施用とダイコン播種の時期により萎黄病抑制の程度が異なった。資材Aは全F. oxysporum密度には影響をあまり及ぼさないが,厚膜胞子密度を高めることが明らかとなった。また,ダイコン播種時に厚膜胞子密度が高く,菌糸など活性型菌体の密度が低い実験区で萎黄病抑制効果が高い傾向が認められた。(4)シャーレ内土壌における実験から,資材Aの施用は土壌静菌作用を強め,F. oxysporumの厚膜胞子発芽と菌糸生育を抑制することが明らかになった。その結果,土壌中の厚膜胞子密度は高く維持されることが推察された。(5)以上の結果から,資材Aのダイコン萎黄病抑制効果の発現機構の一つとして土壌静菌作用が考えられた。

収録刊行物

  • 土と微生物

    土と微生物 49 (0), 27-33, 1997

    日本土壌微生物学会

参考文献 (11)*注記

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