Pseudomonas fluorescens FPT9601による誘導全身抵抗性機構

  • 東山 みや子
    京都府農林水産技術センター生物資源研究センター:神戸大学大学院農学研究科植物病理学研究室
  • 大原 裕美子
    神戸大学大学院農学研究科植物病理学研究室
  • 城戸 剛
    神戸大学大学院農学研究科植物病理学研究室
  • 西 ゆり子
    神戸大学大学院農学研究科植物病理学研究室
  • 坂井 玲央菜
    神戸大学大学院農学研究科植物病理学研究室
  • 相野 公孝
    兵庫県立農林水産技術総合センター
  • 中屋敷 均
    神戸大学大学院農学研究科植物病理学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Systemic plant disease resistance induced by Pseudomonas fluorescens FPT9601
  • シンポジウム Pseudomonas fluorescens FPT9601による誘導全身抵抗性機構
  • シンポジウム Pseudomonas fluorescens FPT9601 ニ ヨル ユウドウ ゼンシン テイコウセイ キコウ

この論文をさがす

抄録

Pseudomonas fluorescens FPT9601株は,トマトにおいて植物成長促進根圏細菌として働き,ナス科植物青枯れ病菌に対する抵抗性を付与することで単離同定された。本菌はモデル植物であるシロイヌナズナにおいても,誘導全身抵抗性を引き起こす。シロイヌナズナのサリチル酸(SA),ジャスモン酸(JA)及びエチレン(ET)経路の変異株を用いて調査を行った所,FPT9601株が誘導する病害抵抗性にJAおよびET経路の関与が示唆された。次に約23.000遺伝子のプローブセットによるマイクロアレイ解析を行った結果,2倍以上の発現変動で上昇した遺伝子が95個,低下したものが105個であった。その中にオーキシン応答性遺伝子の発現増高が認められ,本菌による植物の成長促進はオーキシンの作用であることが示唆された。この他に二次代謝経路に関わる遺伝子の誘導や抑制,タンパク質合成系遺伝子の抑制などの傾向が認められた。また根粒菌感染で発現が増高することから命名されたノジュリン遺伝子群に含まれる遺伝子の誘導なども見られた。マイクロアレイ解析の結果,FPT9601感染により発現が上昇していた遺伝子のトランスポゾン挿入変異体におけるFPT9601株による誘導全身抵抗性について調査した所,転写因子などいくつかの変異体において,誘導抵抗性の低下が認められた。

収録刊行物

  • 土と微生物

    土と微生物 66 (2), 43-46, 2012

    日本土壌微生物学会

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ