瀬戸川層群中に産するかんらん岩中の灰長石について

  • 高沢 耕一
    Geological and Mineralogical Institute, Tokyo University of Education

書誌事項

タイトル別名
  • ANORTHITE IN PERIDOTITES FROM THE SETOGAWA GROUP, SHIZUOKA PREFECTURE, CENTRAL JAPAN
  • 瀬戸川層群中に産するかんらん岩中の灰長石について〔英文〕
  • セトガワソウグンチュウ ニ サンスル カンランガンチュウ ノ カイチョウセキ

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説明

静岡県中部の瀬戸川層群中には,蛇紋岩化したかんらん岩の小岩体が,点々と分布している.これらの岩体は一般にシル状の産状を示している.このかんらん岩中には,ごく少量ではあるが,斜長石が認められる,その産状や双晶法から,これらの斜長石は,かんらん岩の初生構成鉱物であろうと思われる.X線マイクロアナライザー及び光学的な方法により,斜長石は灰長石であることがわかった.次にこの斜長石かんらん岩が,最終的に固結した条件を考察した.すなわちかんらん石と斜長石が共存しうる圧力条件は,8.5kb以下であることが,高圧実験から知られている,また高圧実験の結果から,斜長石の組成は,高圧の下で晶出した斜長石ほど,よりAb成分に富むことが知られているので,灰長石を含み,なおかつかんらん石と共存しうる岩石の形成条件は,8.5kb以浅の地かく内部であることが結論される.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 30 (3), 163-169, 1976

    地学団体研究会

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