北部日本海盆深海底より採取された柱状試料

書誌事項

タイトル別名
  • Piston core sample collected from the northern Japan Basin deep-sea floor
  • 北部日本海盆深海底より採取された柱状資料
  • ホクブ ニホンカイボン シンカイテイ ヨリ サイシュ サレタ チュウジョウ シリョウ

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抄録

北部日本海の海洋海山とヴィチャージ海山の間の凹地中央部(北緯44°04.1',東経139°00.4')の水深3,400mから長さ584.5cmの柱状試料(89TB4)を採取した.この試料に対して,堆積学的・微古生物学的検討を行なった結果,この試料は3つのユニット(上部層,中部層,下部層)に分けられることが明らかとなった.下部層は暗色の葉理層と明色の塊状泥層の互層からなっている.中部層は暗色の葉理層からなり,石膏の産出と極域を示す有孔虫の産出で特徴づけられる.上部層は,混濁流から堆積したと推定されるいくつかの砂層を挟む塊状泥層からなる.このコア試料において3層の火山灰を記載したが,広域火山灰との対比はできなかった.しかし,火山灰の予察的な同定や浮遊性有孔虫の群集解析,岩相層序的特徴などは中部層が最終氷期最盛期の堆積物であることを示している.上部層には海水循環の再開と水温の上昇が認められ,後氷期の堆積物と考えられる.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 53 (2), 135-146, 1999

    地学団体研究会

参考文献 (41)*注記

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