ミミズの土壌形成に伴う元素組成の変化について

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タイトル別名
  • Changes of geochemical composition of soils related to the formation of mold by earthworm activity
  • ミミズ ノ ドジョウ ケイセイ ニ トモナウ ゲンソ ソセイ ノ ヘンカ ニ ツイテ

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抄録

ミミズの土壌形成に伴う元素組成の変化を対照土壌とミミズの糞を比較して調べた.ミミズの糞はバングラデシュ,シャムタ村および山陰地域の3カ所から採集した.シャムタ村のミミズの糞は筒状で長さ8cm,直径3cmに達する.淡灰色のシルトからなり乾燥すると堅固である.これに対して日本のミミズの糞は団粒を形成し,柔らかである.ミミズの糞とその下位の対照土壌を主元素と微量元素を蛍光X線分析装置(XRF)により分析した.シャムタ村の場合はCa,As,Pb,CuおよびZnなどが対照土壌に比べて糞で濃縮率が低下している.本邦の場合はAs,PbおよびCuは同様に低下するがZnは大きな変化を示さない.本邦の2例については糞がCaに富む場合があり,酸性土壌化を防ぐのに役立っている可能性がある.これらの結果は,ミミズが糞形成に伴ってAsやPbを土壌中から浄化していることを示す.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 53 (3), 217-222, 1999

    地学団体研究会

参考文献 (21)*注記

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