和歌山県の中新統田辺層群白浜累層下部より産出した多毛類化石

書誌事項

タイトル別名
  • Fossils of polychaetes found from the Lower Miocene Shirahama Formation of Tanabe Group, in Wakayama Prefecture, Southwest Japan
  • ワカヤマケン ノ チュウ シントウタナベソウグン シラハマルイソウ カブ ヨリ サンシュツ シタ タモウ ルイカセキ

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抄録

筆者らは,紀伊半島の南西部に分布する田辺層群白浜累層下部から多毛類化石を発見した.白浜累層は,主として砂岩泥岩互層,砂岩および礫岩からなる.本化石は白浜累層下部のS1部層の砂岩泥岩互層の泥岩部から見出された.多くの生痕化石も共産する.化石の埋積状況と標本の浸食状況によって,標本の露出状況は,3つのタイプに分けられる.すなわち,タイプI:体表面が見られる標本;タイプII:断面がみられる標本;タイプIII:体腔内部が露出している標本である.本化石全体の外形は,紐状・円筒形をしめし,断面は極めて円形に近い楕円形である.体節構造が明瞭に認められ,各体節から生じる疣足が発達している.これらの諸特徴から判断すると,本化石はサシバゴカイ目Phyllodocidaに属するが,科名ならびに属名は決定できない.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 56 (3), 145-151, 2002

    地学団体研究会

参考文献 (16)*注記

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