越後平野中央部における沖積層層序の再検討

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タイトル別名
  • Reconsideration on Alluvium stratigraphy in the central Echigo Plain, northern Japan
  • エチゴ ヘイヤ チュウオウブ ニ オケル チュウセキソウ ソウジョ ノ サイケントウ

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抄録

越後平野中央部において,沖積層の基盤まで達する10孔のボーリングコアを詳しく観察し,岩相および年代学的に沖積層を9層に区分するとともに多数の^<14>C年代値を測定し,沖積層中に時間面を設定した.その結果,つぎにあげるような平野の形成過程に関するいくつかの新知見が得られた.1)平野の形成過程は,次の4つの堆積ステージに分けられる.ステージI:縄文海進初期(晩氷期:約15,000〜10,000年前)ステージII:縄文海進の進行と溺れ谷の拡大(完新世初期:約10,000〜8,000年前)ステージIII:バリアーシステムの形成(縄文海進期〜縄文海進高頂期前後:約8,000〜5,000年前)ステージIV:浜堤平野の発達と潟湖の消滅(縄文海進高頂期以降:約5,000年前以降〜現在)2)越後平野において,沖積層の堆積は晩氷期に始まった.3)沖積層中に不整合は確認されなく,最上部更新統〜完新統は連続している.4)10,000yrs BPを完新統基底とすれば,その位置は^<14>C年代値から,臨海部では標高-100m付近,内陸部では標高-70m付近に推定される.5)越後平野中央部において,NE-SW方向に伸びる地下の砂堆を特定した.この砂堆は,白根地域に広い潟湖をもたらした新砂丘Iに連続する可能性がある.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 56 (2), 123-138, 2002

    地学団体研究会

被引用文献 (11)*注記

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参考文献 (40)*注記

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