AT降灰以降の三瓶火山噴出物の層序

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タイトル別名
  • Stratigraphy of pyroclastic deposits post-dating the AT tephra, Sanbe Volcano
  • AT コウカイ イコウ ノ サンベ カザン フンシュツブツ ノ ソウジョ

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抄録

三瓶山は西南日本,島根県中央部に位置する第四紀後期に噴火した火山である.三瓶火山の層序や活動期区分については研究者によっていくつかの相違点がある.筆者らは三瓶火山のAT降灰以降の火砕堆積物の層序と活動期区分について再検討した.層序区分の補助的手段として記載岩石学的特徴を示す層準の岩石記載とXRF,INAAなどによる全岩化学組成を調べた.その結果,AT降灰以降の三瓶火山の噴出物を,下位から,日影山溶岩,果瀬谷火砕流堆積物,小田サージ堆積物,小田火砕流堆積物,浮布降下軽石堆積物,緑ヶ丘火砕流堆積物,浮布降下火山灰堆積物,切割降下火山灰堆積物,志学降下火山灰堆積物,志学火砕流堆積物,角井降下火山灰堆積物,志津見降下火山灰堆積物,立石岩屑なだれ堆積物,三瓶円頂丘溶岩,太平山火砕堆積物,伊比谷岩屑なだれ堆積物,山頂火山灰堆積物に層序区分した.また,これらの火山噴出物に挟在する6枚の古土壌を識別した.それらは下位から池田淡色古土壌,第4黒色土,第3黒色土,第2黒色土,第1黒色土,そして山頂黒色土である.池田淡色古土壌にはAT火山ガラスが.第3黒色土にはK-Ah火山ガラスがそれぞれ含まれている.本論では,これらの古土壌は火山活動の休止期を示すと考え,三瓶火山の活動期を再定義した.これにより,AT降灰以降の三瓶火山の活動期を第IV期から第VIII期に区分した.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 56 (2), 105-122, 2002

    地学団体研究会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (28)*注記

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