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- 有田 秀穂
- 東邦大学医学部統合生理学
書誌事項
- タイトル別名
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- Emotional tears are induced by activation of medial prefrontal cortex
- 涙とストレス緩和
- ナミダ ト ストレス カンワ
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説明
ストレス状態は視床下部・下垂体・副腎皮質軸および交感神経アドレナリン系の亢進に特徴づけられる.ストレスを緩和させるには,これらの制御系の働きを逆転させる必要がある.ストレス回避や安静・睡眠は消極的な方法である.一方,積極的な制御系の逆転は,涙を流すことである.流涙は,脳幹の上唾液核にある副交感神経の過剰な興奮によって誘発される.ドラマを見たり,心理療法を受けて,涙が溢れるとき,共感に関与する内側前頭前野において,特徴的な血流変化が認められる.予兆としての緩やかな血流増加と,それに続く一過性の急峻な血流増加がある.後者が出現すると,激しい涙と泣きが継続し,一時的に自己制御できなくなる.自律神経のバランスは,覚醒状態にありながら,極端な副交感神経の興奮状態にシフトする.この時,POMS心理テストでは混乱の尺度が著明に改善し,すっきり爽快の気分が現れる.すなわち,ストレス緩和の神経回路の存在が予想される.このデータを笑いのデータと比較し,涙の効用を議論する.<br>
収録刊行物
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- 日本薬理学雑誌
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日本薬理学雑誌 129 (2), 99-103, 2007
公益社団法人 日本薬理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204272968960
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- NII論文ID
- 130000089054
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- NII書誌ID
- AN00198335
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- COI
- 1:STN:280:DC%2BD2s7gtVWjtQ%3D%3D
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- ISSN
- 13478397
- 00155691
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- NDL書誌ID
- 8668734
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可