腫よう選択性とアポトーシス  3  In silico医薬分子設計手法によるアポトーシス制御性リード化合物の創製

  • 田沼 靖一
    東京理科大学薬学部 生化学教室ゲノム創薬研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Creation of apoptosis regulatory read compounds by <i>in silico</i> drug design
  • In silico医薬分子設計手法によるアポトーシス制御性リード化合物の創製
  • In silico イヤク ブンシ セッケイ シュホウ ニ ヨル アポトーシス セイギョセイ リード カゴウブツ ノ ソウセイ

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説明

生命を維持するための根幹的な機能として細胞に組み込まれた「アポトーシス(細胞死)」は,その異常が癌やアルツハイマー病などの重篤な疾患の発症に密接に関わっていることから,近年,医学・薬学の分野で特に注目を集めている.また,アポトーシスの分子機構および制御機構の解明が進み,創薬ターゲットタンパク質分子も数多く見い出されており,今やアポトーシスは創薬の宝庫と言われるに至っている.一方,21世紀の医薬として,各人のゲノム体質に合った適正な治療,いわゆる“テーラーメイド医療”が期待されている.しかし,それを真に現実のものとするには,各人の疾患遺伝子の産物である創薬ターゲットタンパク質に対して最適な親和性をもつ医薬分子を理論的に創製することが求められる.これを可能とするにはコンピュータシミュレーション技術を取り入れた,これまでにない新しいin silico創薬方法論およびその手法を開発する必要がある.本稿では,我々が進めている創薬ゲノム科学と情報計算科学を融合した新しいin silico創薬の展開について,アポトーシス制御性リード化合物の創製を例に挙げながら紹介する.<br>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 127 (5), 335-341, 2006

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (30)*注記

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