茶園土壌の腐植に関する研究(第4報)

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Humus of Tea Soil (Part 4)
  • The Infrared Spectra of Various Humic Acids
  • 各種腐植酸の赤外線吸収スペクトル

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説明

腐植酸類似物質(リグニン,稲わらたい肥,泥炭およびニトロフミン酸)および各種土壌(赤黄色土,火山灰土および「黒ボク」)の腐植酸の赤外線吸収スペクトルをKBr錠法により測定した。その結果を要約するとつぎのとおりである。<BR>1) いずれの腐植酸も水素結合したOH,脂肪族CHグループ,カルボキシル基,カルボニル基,C=C二重結合,各種のC=O結合などをもち,キノン,フェノール,エーテルおよびアルコールなどの化合物を含むことが認められた。<BR>2) 赤外線吸収スペクトルの形状から赤黄色土腐植酸と火山灰土腐植酸および「黒ボク」腐植酸を区別した。<BR>3) 赤黄色土腐植酸では1025cm-1に強い吸収があり,第一級アルコールおよびエーテル類の多いことが認められた。1690~1720cm-1における吸収は弱く,他の腐植酸よりカルボキシル基が少なかった。<BR>4) ニトロフミン酸,赤黄色土および稲わらたい肥腐植酸では,1540cm-1に弱い吸収があり,ニトロ基の存在が認められた。<BR>5) 火山灰土および「黒ボク」腐植酸では1690~1720cm-1(カルボキシル基のC=O),1612cm-1(縮合芳香核C=C)および1250cm-1(カルボキシル基C-O)に強い吸収があり,他の吸収帯はきわめて弱かった。<BR>6) 牧之原「黒ボク」腐植酸には1925~2000cm--1付近に弱い吸収帯があった。

収録刊行物

  • 茶業研究報告

    茶業研究報告 1969 (30), 44-51, 1969-01-31

    Japanese Society of Tea Science and Technology

参考文献 (4)*注記

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