書誌事項
- タイトル別名
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- Preclinical pharmacological profiles and clinical outcome of the novel melatonin-receptor agonist ramelteon (Rozerem 8 mg)
- 新薬紹介総説 メラトニン受容体作動薬ラメルテオン(ロゼレム錠8mg)の薬理作用と臨床試験成績
- シンヤク ショウカイ ソウセツ メラトニン ジュヨウタイ サドウヤク ラメルテオン ロゼレムジョウ 8mg ノ ヤクリ サヨウ ト リンショウ シケン セイセキ
- Preclinical pharmacological profiles and clinical outcome of the novel melatonin-receptor agonist ramelteon (Rozerem® 8 mg)
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説明
既存の睡眠薬は,GABAA受容体に作用して睡眠を誘発する.GABAA受容体は,脳幹毛様体,辺縁系,海馬,小脳,脊髄,大脳皮質辺縁系など広範囲に存在し,種々の神経伝達物質を含有する神経に対して, Cl−イオンの細胞内流入を介して抑制的に作用する.そのため,睡眠誘発作用は示すものの,その睡眠は自然睡眠とは異なり,筋弛緩作用,前向性健忘,反跳性不眠,依存性などの種々の有害作用を惹起する.これに対してラメルテオン(Ramelteon,TAK-375,商品名Rozerem®)は,主に視床下部視交叉上核に存在するメラトニン受容体(MT1/MT2受容体)にアゴニストとして作用してcAMP産生系を抑制し,サルおよびネコで強力な睡眠誘発作用を示した.その睡眠パターンは自然睡眠に極めて近いものであった.また,既存薬で見られる学習記憶障害,運動障害,依存性などは見られなかった.ラメルテオンは入眠障害を特徴とする睡眠障害患者における臨床試験において,入眠までの時間を短縮するとともに総睡眠時間を増やした.ヒトにおいても記憶障害や運動障害などの有害作用は極めて少なく,依存性も見られず,反復投与においても耐性や反跳性不眠も認められなかった.ラメルテオンは,ヒトの睡眠覚醒サイクルを司る視交叉上核に作用する新規作用機序を有し,副作用が少なく生理的な睡眠をもたらす不眠症治療薬として期待される.
収録刊行物
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- 日本薬理学雑誌
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日本薬理学雑誌 136 (1), 51-60, 2010
公益社団法人 日本薬理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204274595712
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- NII論文ID
- 10026544589
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- NII書誌ID
- AN00198335
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- COI
- 1:CAS:528:DC%2BC3cXptFSisb0%3D
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- ISSN
- 13478397
- 00155691
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- NDL書誌ID
- 10755492
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- PubMed
- 20628215
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可