『血管新生阻害剤も患者階層化の時代に!?』 分子標的抗がん剤におけるバイオマーカー研究と患者階層化研究について―血管新生阻害剤レンバチニブを例に―

  • 松井 順二
    エーザイ株式会社 オンコロジー創薬ユニット
  • 船橋 泰博
    )エーザイインコーポレーテッド バイオマーカーパーソナライズドメディシン機能ユニット

書誌事項

タイトル別名
  • Preclinical biomarker research and patient stratification of molecular target agents: the anti-angiogenic inhibitor Lenvatinib mesylate (E7080)
  • ケッカン シンセイ ソガイザイ モ カンジャ カイソウカ ノ ジダイ ニ!? : ブンシ ヒョウテキ コウガンザイ ニ オケル バイオマーカー ケンキュウ ト カンジャ カイソウカ ケンキュウ ニ ツイテ : ケッカン シンセイ ソガイザイ レンバチニブ オ レイ ニ

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抄録

この15年来,抗がん剤領域治療において分子標的薬の出現に伴い個別化医療が臨床の現場において進展してきた.その実現には分子標的薬の開発のみならず,コンパニオン診断薬の同時開発が不可避になり,製薬会社はその両者の開発を鋭意進展させている.これらはがん細胞のheterogeneityへの対策であり,この間分子レベルでのメカニズムが解明されてきたことによることが大きい.一方ではこの間ベバシツマブなどの血管新生阻害作用を持つ分子標的治療薬も承認がなされているが,当初期待していたものとは異なり自然耐性化や獲得体制化の存在も報告されるようになってきた.したがって血管新生阻害剤に対してもがん細胞を標的とする分子標的治療薬と同様に効果が期待できる患者層を選別する必要性が明らかとなっている.そのため前臨床,臨床でのトランスレーショナル研究の重要性がますます高まっているため,本稿にてその必要性となる背景と前臨床研究にて実施した結果を記載する.

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 142 (4), 162-166, 2013

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (10)*注記

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