チャの茎および葉切片培養におけるカルス誘導および根の分化

書誌事項

タイトル別名
  • Callus Induction and Root Differentiation in Stem and Leaf Segment Cultures of Tea Plant
  • チャ ノ クキ オヨビ ヨウセッペン バイヨウ ニ オケル カルス ユウドウ

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説明

チァミン・HCl濃度を1.3ppmとしたMURASHIGEとSKOOGの培地を用いて,チャの茎および葉切片を試験管で培養した。NAA濃度を10-7,10-6,10-5,10-4Mとしカイネチン濃度を0,10-7,10-6,10-5,10-4Mとした場合に,茎切片からカルスが誘導された。また,葉切片からはNAA濃度を10-5またに10-4Mとしカイネチン濃度を0,10-7,10-6,10-5,10-4Mとした場合にカルスが誘導された。<BR>茎切片培養による根の分化は,NAA濃度を10-6または10-4Mとしカイネチン濃度を0,10-7,10-6Mとした場合,NAA濃度を10-5Mとしカイネチン濃度を0,10-7,10-6,10-5Mとした場合の各条件下で起こった。また,葉切片培養による根の分化は,NAA濃度を10-4Mとしカイネチン濃度を0,10-7,10-6,10-5Mとした場合に起こった。<BR>これら両切片培養の結果は,植物ホルモン条件としては根の分化条件の範囲はカルス誘導条件の範囲より狭い範囲にあり,カルス誘導条件の範囲に包含されていることを示している。また,カルス誘導に比して根の分化は,カイネチン濃度に対するNAA濃度が高い場合に起こり,カルスからの根の分化には必ずしもカイネチンを培地に加える必要はなく,培地のNAA濃度を10-4Mにしておくことで十分であった。<BR>本報のとりまとめに際し,有益な御指摘をいただいた茶業試験場茶樹第1研究室長鳥屋尾忠之博士に感謝致します。また,本報の写真撮影について御指導いただいた茶業試験場病害研究室長浜屋悦次博士に感謝致します。

収録刊行物

  • 茶業研究報告

    茶業研究報告 1983 (57), 7-11, 1983-06-01

    Japanese Society of Tea Science and Technology

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (3)*注記

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