Involvement of communication system between brain and peripheral tissues on the development of post-ischemic glucose intolerance induced by cerebral neuronal damage

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  • 脳梗塞に伴う糖代謝異常と中枢-末梢臓器間連関機序の関与
  • ノウ コウソク ニ トモナウ トウ タイシャ イジョウ ト チュウスウ-マッショウ ゾウキ カン レンカン キジョ ノ カンヨ

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Abstract

<p>脳卒中は,我が国における主な死因の一つであるが,有効な治療法が少ない.近年,遺伝子組み換え型組織プラスミノーゲンアクチベータの保険適用が拡大され,発症後3時間以内から4.5時間以内にまで治療可能時間が延長されたものの,充分とは言い難い.すなわち,効率の良い治療戦略の確立が求められている.糖尿病または高血糖状態は,脳卒中に対する重要な危険因子の一つであるが,糖尿病の既往歴のない人でも,脳卒中発症後に高血糖を呈し,それをインスリンで制御することによって死亡率が抑制されるとの臨床報告がなされている.我々は,脳虚血ストレス動物において,肝臓におけるインスリン感受性の低下が一過性の耐糖能異常(虚血後高血糖)を誘発し,神経障害を悪化させることを明らかにしてきた.近年,糖代謝制御は,肝臓を含む個々の末梢臓器における制御のみではなく,視床下部を介した中枢末梢臓器間連関による神経支配を受けることが注目されている.我々は,神経ペプチドであるorexin-Aを視床下部内に局所投与することで,延髄から肝臓に投射している迷走神経の活性化を介して,肝臓におけるインスリンシグナル系を賦活化させ,脳虚血性耐糖能異常による神経障害の増悪を抑制することを見出してきた.本総説では,これまでに著者らが得た知見を概説する.本総説を通し,中枢-末梢臓器間連関の概念を取り入れた全身性の糖代謝調節機能の制御が脳卒中治療において肝要であることを提唱する.</p>

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