キノロン系外用抗菌薬2%オゼノキサシンローション(ゼビアックス<sup>®</sup>ローション2%)の薬理学的特性と尋常性痤瘡および表在性皮膚感染症に対する臨床効果
書誌事項
- タイトル別名
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- Pharmacological profiles and clinical effects of ozenoxacin lotion for the treatments of acne vulgaris and superficial infection of the skin
- 新薬紹介総説 キノロン系外用抗菌薬2%オゼノキサシンローション(ゼビアックスローション2%)の薬理学的特性と尋常性痤瘡および表在性皮膚感染症に対する臨床効果
- シンヤク ショウカイ ソウセツ キノロンケイ ガイヨウ コウキンヤク 2%オゼノキサシンローション(ゼビアックスローション 2%)ノ ヤクリガクテキ トクセイ ト ジンジョウセイザソウ オヨビ ヒョウザイセイ ヒフ カンセンショウ ニ タイスル リンショウ コウカ
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説明
<p>尋常性痤瘡は,思春期の男女の顔面,胸部,背部に好発する面皰を初発疹とする慢性炎症性疾患である.尋常性痤瘡の病因は,脂腺性毛包での毛包漏斗部の角化異常に伴う閉塞およびPropionibacterium acnes(P. acnes)などの細菌増殖による炎症惹起を含め,多因子が絡み合って発症する疾患とされる.また,表在性皮膚感染症である毛包炎や毛瘡は,毛包にStaphylococcus aureus(S. aureus)またはStaphylococcus epidermidis(S. epidermidis)が感染し,紅色丘疹や膿疱を呈する.オゼノキサシンは,キノロン系抗菌化合物であり,細菌のデオキシリボ核酸(DNA)複製に関与するDNAジャイレースおよびトポイソメラーゼⅣを阻害して抗菌作用を発揮し,幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌作用を示す.尋常性痤瘡患者を対象とした国内臨床試験において,2%オゼノキサシンローションを1日1回,12週間塗布することにより,最終評価時の炎症性皮疹数の減少率において2%オゼノキサシンローションのプラセボに対する優越性が検証され,対照薬である1%ナジフロキサシンローション(1日2回)に対して非劣性が検証された.また,2%オゼノキサシンローション塗布により,炎症性皮疹数の減少率は治療開始2週後からプラセボに対し有意な差が認められた.さらに,表在性皮膚感染症を対象とした国内臨床試験において,2%オゼノキサシンローションを1日1回,7日間塗布することにより,最終評価時の有効率が70.0%であるとともに,菌陰性化率はS. aureusで80.0%およびS. epidermidisで95.0%であった.承認時までの臨床試験で認められた因果関係が否定できない有害事象は,757例中35例(4.6%)に認められ,主に適用部位である皮膚に発現した事象であった.以上から,2%オゼノキサシンローションは,尋常性痤瘡および表在性皮膚感染症治療において治療効果が高く,臨床上懸念される安全性の問題が少ない薬剤と考えられる.</p>
収録刊行物
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- 日本薬理学雑誌
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日本薬理学雑誌 148 (1), 39-45, 2016
公益社団法人 日本薬理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204274813056
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- NII論文ID
- 130005164792
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- NII書誌ID
- AN00198335
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- ISSN
- 13478397
- 00155691
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- NDL書誌ID
- 027513233
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- PubMed
- 27430678
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
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