書誌事項
- タイトル別名
-
- Pharmacological and clinical profile of a new SGLT2 inhibitor, luseogliflozin (Lusefi<sup>®</sup>)
- 新薬紹介総説 新規SGLT2阻害薬ルセオグリフロジン水和物(ルセフィ錠)の薬理学的特徴および臨床試験成績
- シンヤク ショウカイ ソウセツ シンキ SGLT2 ソガイヤク ルセオグリフロジン スイワブツ(ルセフィジョウ)ノ ヤクリガクテキ トクチョウ オヨビ リンショウ シケン セイセキ
この論文をさがす
抄録
ルセオグリフロジン水和物(以下ルセオグリフロジン,製品名:ルセフィ®錠)は,大正製薬株式会社において創製された新規のナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2:sodium glucose cotransporter 2)阻害薬である.ルセオグリフロジンは,SGLT発現細胞を用いたin vitro試験においてSGLT2を介したNa+依存的なグルコース取り込みを選択的かつ拮抗的に阻害した.糖尿病モデル動物を用いたin vivo試験では,ルセオグリフロジンは尿糖排泄を増加させてインスリン分泌に依存することなく血糖低下作用を示した.さらに,ルセオグリフロジンは糖尿病ラットへの反復経口投与により糖化ヘモグロビン値を低下させるとともに,インスリン抵抗性改善作用と膵β細胞減少に対する抑制作用を示したことから,2型糖尿病に対する有用性が期待された.日本人健康成人男性を対象にルセオグリフロジン1~25 mgを単回経口投与した結果,血漿中薬物濃度は用量依存的に増加し,消失半減期は9.23~13.8時間であった.また,用量の増加に応じた尿糖排泄作用が確認され,忍容性に問題はなかった.日本人2型糖尿病患者を対象とした第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検比較試験では,ルセオグリフロジンは1日1回2.5 mgの24週間投与によりプラセボに比べHbA1c変化量を有意に低下させた.さらに,第Ⅲ相単剤長期投与試験ならびに併用長期投与試験においても,ルセオグリフロジンは1日1回52週間投与により良好な血糖コントロールを示し,忍容性に問題は無かった.以上の非臨床および臨床試験成績から,ルセオグリフロジンは選択的かつ拮抗的にSGLT2を阻害することで血中の過剰なグルコースを尿中に排泄し,2型糖尿病における高血糖を是正することが明らかとなった.選択的SGLT2阻害薬であるルセオグリフロジンは,2型糖尿病の薬物治療において新たな選択肢となることが期待される.
収録刊行物
-
- 日本薬理学雑誌
-
日本薬理学雑誌 146 (3), 150-158, 2015
公益社団法人 日本薬理学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001204274960256
-
- NII論文ID
- 130005097938
-
- NII書誌ID
- AN00198335
-
- ISSN
- 13478397
- 00155691
-
- NDL書誌ID
- 026705750
-
- PubMed
- 26354015
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可