Potential of proteinase-activated receptors as a novel target for treatment of pulmonary hypertension

  • Hirano Katsuya
    九州大学大学院 医学研究院 分子細胞情報学部門

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  • 『新しい肺高血圧治療戦略の提案』 プロテイナーゼ活性化型受容体を標的とした肺高血圧治療の可能性
  • アタラシイ ハイ コウケツアツ チリョウ センリャク ノ テイアン : プロテイナーゼ カッセイカガタ ジュヨウタイ オ ヒョウテキ ト シタ ハイ コウケツアツ チリョウ ノ カノウセイ

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肺高血圧症の病態形成には,血管収縮,血管リモデリング,血栓形成が重要な役割を果たす.大規模臨床研究により抗凝固療法の予後改善効果が認められており,凝固系の病態形成への関与は明らかである.トロンビンなどの凝固因子は,プロテイナーゼ活性化型受容体を介して,様々な血管作用を引き起こす.一方,肺動脈は,体循環系動脈と異なり,正常であってもトロンビンに対する収縮反応性を示す特性を有し,その収縮にはRhoキナーゼと活性酸素が関わる特殊な収縮機構が関与することが明らかにされている.従って,凝固系-プロテイナーゼ活性化型受容体の経路は,肺高血圧症の病態形成に重要な役割を果たすことが示唆される.現在,トロンビン受容体PAR1を中心に受容体拮抗薬の開発が進められている.プロテイナーゼ活性化型受容体拮抗薬は,従来の薬物治療とは異なる作用機序を有する新たな肺高血圧治療薬として期待される.実用化に向けては,今後,肺高血圧症の病態形成におけるプロテイナーゼ活性化型受容体の役割を明らかにし,受容体拮抗薬の治療効果を検証する必要がある.

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