-
- 渡邊 泰男
- 昭和薬科大学 薬理学研究室
書誌事項
- タイトル別名
-
- Regulation of calcium signals via redox modification
- カッセイ イオウ ブンシ ノ ブンシ ヒョウテキ
この論文をさがす
説明
システインのチオール基側鎖にイオウ原子が繋がったポリサルファー化システインなどの活性イオウ分子は,細胞のレドックス恒常性の維持に重要な生理活性物質である.実は,これまでに,ほ乳類動物では活性イオウ分子の存在が知られていたが,その生体におけるシグナル応答と制御メカニズムについては不明であった.近年,質量分析法によるプロダクト解析によって,ヒト組織・血漿中に低分子から高分子の多種多様な活性イオウ分子が存在することが発見された.その一部は既知のグルタチオンと比しても,極めて強力な活性酸素消去能を有することが分かってきた.興味深いことは,このポリサルファーシステインは,タンパク質の構成アミノ酸にも認められていることである.これまで,タンパク質構成アミノ酸中の特定のシステインのチオール基の化学修飾(酸化,S-ニトロシル化,S-グルタチオン化,アルキル化)が,そのタンパク質の機能制御に関わることが報告されていた.つまり,この〝再発見〟された活性イオウ分子は,これまでのシステインチオール基を介した酸化修飾に新たに,あるいは既に相乗りする形でタンパク質機能を制御していると考えられる.本稿では,活性イオウ分子のユニークな生理機能の1つである細胞内タンパク質の修飾について,これまでのシステインのチオール基の化学修飾との関連性について述べる.
収録刊行物
-
- 日本薬理学雑誌
-
日本薬理学雑誌 147 (5), 285-289, 2016
公益社団法人 日本薬理学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001204275201024
-
- NII論文ID
- 130005150962
-
- NII書誌ID
- AN00198335
-
- ISSN
- 13478397
- 00155691
-
- NDL書誌ID
- 027341460
-
- PubMed
- 27181723
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- journal article
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
- KAKEN
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可