『IL-19 と炎症性腸疾患』 インターロイキン-19 による腸免疫制御システムの調節―炎症性腸疾患モデルマウスからの知見―

  • 東 泰孝
    大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 獣医学専攻 応用薬理学教室
  • 竹内 正吉
    大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 獣医学専攻 応用薬理学教室

書誌事項

タイトル別名
  • The emerging role of interleukin-19 as an inflammatory mediator in inflammatory bowel disease
  • IL-19 ト エンショウセイ チョウ シッカン : インターロイキン-19 ニ ヨル チョウ メンエキ セイギョ システム ノ チョウセツ : エンショウセイ チョウ シッカン モデルマウス カラ ノ チケン

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説明

炎症性腸疾患は,難治性の慢性腸炎であり,小腸および大腸を好発部位とするクローン病および大腸に起こる潰瘍性大腸炎が代表的な疾患である.いずれも慢性的な炎症の緩解と再燃を繰り返す疾患である.原因は未だ完全には解明されていないが,これまでに,IL-2,IL-10およびT 細胞受容体の遺伝子欠損マウスが炎症性の腸炎を惹起することから,免疫異常,特に粘膜免疫系の過剰な反応によって誘発される可能性が示されている.今回,IL-10ファミリーに分類されるIL-19の炎症性腸疾患における役割を検討したところ,クローン病モデルおよび潰瘍性大腸炎モデルのいずれにおいても,IL-19遺伝子欠損に伴い炎症の悪化が起こることが明らかとなった.

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 143 (6), 275-278, 2014

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (41)*注記

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