降圧効果を持つ機能性食品の薬理作用~血圧コントロールが期待される食品~

  • 稗田 蛍火舞
    静岡県立大学 薬学部 分子病態学分野
  • 砂川 陽一
    静岡県立大学 薬学部 分子病態学分野 静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 国立病院機構 京都医療センター展開医療研究部
  • 刀坂 泰史
    静岡県立大学 薬学部 分子病態学分野 静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 国立病院機構 京都医療センター展開医療研究部
  • 長谷川 浩二
    国立病院機構 京都医療センター展開医療研究部
  • 森本 達也
    静岡県立大学 薬学部 分子病態学分野 静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 国立病院機構 京都医療センター展開医療研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Pharmacological effect of functional foods with a hypotensive action
  • コウアツ コウカ オ モツ キノウセイ ショクヒン ノ ヤクリ サヨウ : ケツアツ コントロール ガ キタイ サレル ショクヒン

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抄録

高血圧は心血管疾患,脳卒中などの疾患の発症につながる動脈硬化の主要危険因子の一つである.多くの臨床研究から血圧を管理することは,これらの罹患率,死亡率の減少につながることが明らかになっている.しかしこれらの合併症に対する予防効果は降圧薬を用いた治療をもってしても50%未満である.近年,健康的な食事が生活習慣病を予防するだけでなく,治療につながるのではと考え,食品の持つ効果について注目が集まっている.塩分制限,適度なアルコール摂取,およびカロリー制限などの食生活の改善が高血圧の予防のために重要である.また,古くから日本と中国で日常的に飲まれてきた緑茶は降圧効果を有すること,さらにはその有効成分はカテキンであることが明らかとなった.このように降圧効果を持つ食品に関して多くの研究が行われ,これらの機能性食品がレニン・アンジオテンシン系抑制や抗酸化作用,利尿作用,交感神経抑制作用,および血管拡張作用を有する一酸化窒素の合成促進作用などによって降圧効果を示すことが報告されている.今後これらの機能性食品を土台にして,日常の食生活を改善することによって血圧を管理し,健康寿命を延ばすことができると期待される.本総説は動物実験やヒト臨床試験で降圧効果を有することが報告されている機能性食品とその成分についてまとめたものである.

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参考文献 (59)*注記

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