書誌事項
- タイトル別名
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- Pharmacological and clinical profiles of galantamine (Reminyl)
- 新薬紹介解説 新規アルツハイマー型認知症治療薬ガランタミン(レミニール)の薬理学的特性および臨床試験成績
- シンヤク ショウカイ カイセツ シンキ アルツハイマーガタ ニンチショウ チリョウヤク ガランタミン レミニール ノ ヤクリガクテキ トクセイ オヨビ リンショウ シケン セイセキ
- Pharmacological and clinical profiles of galantamine (Reminyl®)
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説明
ガランタミン(レミニール®)は,コーカサス地方のマツユキソウの球径から分離された3級アルカロイドであり,国内2剤目のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬として,軽度および中等度のアルツハイマー型認知症(AD)における認知症症状の進行抑制の適応症を取得した.ガランタミンの作用機序は,AChEに対して可逆的に競合阻害作用を示し,さらにニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)のアセチルコリン結合部位と異なる部位に結合し,アロステリック活性化リガンド(APL)として作用することでnAChRに対するアセチルコリン(ACh)の作用を増強させる(APL作用).In vitro試験および動物を用いた行動薬理学的評価から,ガランタミンは,アミロイドβによる神経細胞障害に対して保護作用を示し,学習記憶の低下に対して改善効果を示した.国内臨床試験(GAL-JPN-5試験)では,軽度および中等度のAD患者580例を対象に,ガランタミン16 mg/日および24 mg/日の有効性と安全性をプラセボ対照二重盲検法により検討した.主要評価項目はADAS-J cogおよびCIBIC plus-Jの二元評価とした.その結果,認知機能評価の指標であるADAS-J cogでは,16 mg/日および24 mg/日ともにプラセボとの間に統計学的有意差を認め,そのエフェクトサイズは16 mg/日よりも24 mg/日の方が大きかった.一方,全般臨床評価であるCIBIC plus-Jでは,両投与量群ともに有意差は認められなかった.安全性評価では,16 mg/日および24 mg/日の忍容性は良好であった.ガランタミンの剤形には,錠剤(4,8,12 mg),口腔内崩壊錠(4,8,12 mg)および内用液(4 mg/mL)があり,患者の嗜好や状態により適切な剤形の選択が可能である.以上のことから,ガランタミンは,AD患者における新たな治療選択肢として期待される.
収録刊行物
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- 日本薬理学雑誌
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日本薬理学雑誌 138 (3), 122-126, 2011
公益社団法人 日本薬理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204275609728
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- NII論文ID
- 10029604141
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- NII書誌ID
- AN00198335
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- ISSN
- 13478397
- 00155691
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- NDL書誌ID
- 11222690
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- PubMed
- 21908940
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可