アクリルシリコーン/シリカ・ナノ複合材料の撥水性(1)表面撥水性におよぼす調製時の溶媒およびアクリルシリコーン,シランカップリング剤添加の影響

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タイトル別名
  • Water Repellency of Acrylic Silicone/Silica Nano-Composites (1)Effects of Solvent and Silane Coupling Agent
  • アクリルシリコーン シリカ ナノ フクゴウ ザイリョウ ノ ハッスイセイ 1 ヒョウメン ハッスイセイ ニ オヨボス チョウセイジ ノ ヨウバイ オヨビ アクリルシリコーン シランカップリングザイ テンカ ノ エイキョウ

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抄録

カルボキシル基含有アクリルシリコーン(CAS)溶液中において,テトラエトキシシラン(TEOS)および撥水性シランカップリング剤(SCA)を添加することによってシリカ微粒子を合成した。得られた微粒子の形態およびシリカ分散液をガラス基板に塗布した場合の表面撥水性におよぼす溶媒の種類,CAS,SCA添加量の影響について検討した。CAS溶液中において得られたシリカ微粒子は条件によってはCASを添加しない溶液中で得られるシリカ粒子(400-500nm)よりも成長が抑制され(80-100nm),CASとともにSCAを共存させると,粒子径はCASのみを用いた場合よりもさらに小さくなった(20-100nm)。XPS測定の結果からCAS,SCAを用いた場合にはC/Siのピーク比が増大し,シリコーンブロックの一部および撥水性基は粒子表面に偏在しているものと考えられる。シリカ分散コロイド溶液をガラス基板に塗布した場合,CAS-シリカ系ではCAS単独の接触角よりも高い値を示し,CAS,SCAの併用によって接触角は150°以上の値を示した。シリカ微粒子合成の際に,CAS中のカルボキシル基がシリカ前駆体と相互作用して,CASがシリカ微粒子に一部組み込まれたものと考えられる。さらにSCAを併用することで,トリメチルシリル基などが表面に導入されたものと考えられる。CAS,トリメチルシリル基などの導入によって,粒子成長が阻害されて粒子径は抑制されるとともに,接触角が向上したものと考えられる。シリコーンブロック,撥水性基による疎水性表面とシリカ微粒子の凹凸との組み合せによって,接触角150°以上の超撥水表面を調製することができた。

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