ジシアンジアミド硬化エポキシ樹脂の物性とナノ構造の関係

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タイトル別名
  • RelationshipsbetweenMechanicalPropertiesandNano-structuresofDICY-curedEpoxyResins

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ビスフェノールA型エポキシ樹脂オリゴマー数種を組み合わせエポキシ当量分布の異なるエポキシ組成を作成し,ジシアンジアミド硬化樹脂の物性とナノ櫛造との関係を考察した。硬化樹脂の平均架橋密度を表すと考えられるゴム状平坦領域貯蔵弾性率E'rが同等レベルの硬化樹脂組成物3種の比較において,原料エポキシ当量分布(分子量分布)の拡大につれ硬化樹脂のガラス転移温度は低下し,溶剤吸収速度が増加する傾向が見られた。他方,エポキシ当量分布が広い組成ほど圧縮降伏応力は高くなり,逆にエポキシ当量分布が狭い組成ほど圧縮破壊ひずみ(応力)や破壊靭性値は向上した。これらの硬化樹脂物性は,平均架橋密度の影響を受けるだけでなく,架橋形成過程で生じた不均質構造,すなわち走査型プローブ顕微鏡解析や電子顕微鏡解析から示唆されるナノレベルの構造因子に強く支配されたと考えられる。

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