ジクワット・パラコート液剤処理および麦桿の被覆がカラスムギ種子の出芽に及ぼす影響

  • 浅井 元朗
    独)農研機構・中央農業総合研究センター
  • 與語 靖洋
    独)農研機構・中央農業総合研究センター 現・独)農業環境技術研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of a diquat-paraquat herbicide mixture and straw cover on wild oat (Avena fatua) seedling emergence
  • ジクワット パラコート エキザイ ショリ オヨビ バッカン ノ ヒフク ガ カラスムギ シュシ ノ シュツガ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

ムギ作の難防除雑草カラスムギ種子に対し,イネ科植物種子の発芽および幼植物生育阻害効果が認められているパラコートによる出芽抑制効果を野外ポット試験によって評価し,総合的防除体系の1要素としての可能性を検討した。裸地状態の地表面に置床したカラスムギ種子に対しジクワット・パラコート液剤(ジクワットジブロミド7.0%,パラコートジクロリド5.0%)1,000ml/10a(標準量)散布し,以後不耕起状態を維持した条件において,グリホサートアンモニウム塩液剤500ml/10a処理と比較して生残種子数が減少した。また,散布後に耕起した条件においても3,000ml/10a以上の処理濃度で出芽数が顕著に減少した。しかし,地表面を麦桿で被覆した条件では標準量の4.6倍の処理濃度でもカラスムギ出芽抑制効果は確認できなかった。また,面積あたりの散布水量を2∼5倍に増加すると出芽抑制効果が低下した。以上の結果から,通常のジクワット・パラコート液剤処理方法ではムギ類収穫後のカラスムギの実用的なレベルの夏期の種子低減,および出芽数抑制効果は得られないと考えられた。

収録刊行物

  • 雑草研究

    雑草研究 55 (3), 167-173, 2010

    日本雑草学会

参考文献 (11)*注記

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