コムギ圃場におけるネズミムギによるコムギ減収率の簡易査定法

書誌事項

タイトル別名
  • A simple method to assess wheat yield loss by Italian ryegrass (Lolium multiflorum Lam.) in the fields
  • コムギ ホジョウ ニ オケル ネズミムギ ニ ヨル コムギ ゲンシュウリツ ノ カンイ サテイホウ

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説明

コムギ圃場におけるネズミムギ発生量とコムギ減収率との関係を迅速かつ簡易に把握するため,達観調査による簡易査定法を開発した。コムギとダイズを連作する静岡県袋井市豊住の水田転作団地を調査対象とし,2004年∼2007年のコムギ収穫時期に圃場別にネズミムギ発生量の達観調査を行った。達観調査による査定基準は「無」,「微」,「少」,「中」,「多」,「甚」の6段階とした。査定したランク別にコムギ収量,ネズミムギ個体数,全乾物重をコドラート(1m×1m)調査した。達観調査に基づく査定ランクごとにネズミムギの発生量(個体数と全乾物重)に明瞭な差があり,コムギの減収率を概ね適正に評価していた。コドラート内のネズミムギの個体数が多く,乾物重が大きいほど,コムギ精子実重の減収率が高く,その関係は方形双曲線モデルにより回帰できた(R2>0.6)。20%以上のコムギ減収が生じるネズミムギの密度は8∼12個体/m2以上であった。達観調査による簡易査定法は,地域レベルでの雑草発生量,コムギ減収量を迅速に推定する上で有効である。

収録刊行物

  • 雑草研究

    雑草研究 55 (3), 174-182, 2010

    日本雑草学会

被引用文献 (6)*注記

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参考文献 (11)*注記

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