草生栽培に用いるオオナギナタガヤおよびナギナタガヤの出穂性と発芽特性

  • 中谷 敬子
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター
  • 橋爪 健
    雪印種苗株式会社
  • 土師 岳
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
  • 澁谷 知子
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター
  • 三浦 重典
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Characterization of Vulpia myuros (L.) C.C. Gmel. var. megalura (Nutt.) Rydb. and Vulpia myuros (L.) C.C. Gmel. for sod culture from heading and germination properties
  • クサフ サイバイ ニ モチイル オオナギナタガヤ オヨビ ナギナタガヤ ノ シュッスイセイ ト ハツガ トクセイ

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抄録

樹園地等の草生栽培に用いられるオオナギナタガヤとナギナタガヤの出穂性と結実種子の発芽特性を比較検討した。戸外における出穂始期はつくば市,盛岡市ともにオオナギナタガヤの方がナギナタガヤと比較して約3週間程度早かった。オオナギナタガヤは無処理種子を10,13,16時間日長のいずれの条件で栽培した場合でも出穂したのに対し,ナギナタガヤは5°Cの低温条件で30日以上処理した吸水種子を16時間日長で栽培した場合のみ出穂した。したがって,ナギナタガヤは出穂に低温条件を必要とする長日植物であることが明らかとなった。両種とも種子の発芽適温域は10∼25°Cであったが,5°Cおよび30°Cの発芽率はオオナギナタガヤの方がナギナタガヤより高かった。両種とも−3°Cで21日間処理した吸水種子の死滅率は3%以下となり,低温耐性が高かった。一方,35°C 21日間処理したオオナギナタガヤの吸水種子の死滅率は31%であったのに対し,ナギナタガヤの同種子の死滅率は12%となり,高温耐性はナギナタガヤの方が高かった。以上の様に,草生栽培への適用性や国内における自生域拡大に関与する生態的特性が両種で異なることが明らかになった。

収録刊行物

  • 雑草研究

    雑草研究 56 (2), 75-80, 2011

    日本雑草学会

参考文献 (8)*注記

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