北海道北見地域における虎豆の栽培技術

  • 黒崎 英樹
    北海道立総合研究機構農業研究本部北見農業試験場
  • 唐 Seiji
    北海道立総合研究機構農業研究本部北見農業試験場
  • 小野寺 政行
    北海道立総合研究機構農業研究本部北見農業試験場
  • 竹内 徹
    北海道立総合研究機構農業研究本部北見農業試験場

書誌事項

タイトル別名
  • Cultivating Techniques for “Toramame”(<i>Phaseolus vulgaris</i> L.) in Hokkaido Kitami District
  • 北海道北見地域における虎豆の栽培技術 : 省力化を目的とした栽植密度の改善
  • ホッカイドウ キタミ チイキ ニ オケル トラトウ ノ サイバイ ギジュツ : ショウリョクカ オ モクテキ ト シタ サイショクミツド ノ カイゼン
  • -省力化を目的とした栽植密度の改善-
  • –Improvement of Plant Density for Saving Labor–

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説明

北海道の虎豆の生産において,栽植密度は支柱の竹本数を決定する.竹の設置と撤去の大部分は手作業であり,全農作業時間である35時間/10 aの3/4を占める.しかし,現行の栽植密度は生産者の経験に基づいており,栽植密度の検討は未実施であった.そこで,栽植密度を単位面積当たり株数および株当たり本数 (個体数) に分けて,栽植密度,子実重および収益性の関係を明らかにした.2006,2007年の試験においては,生産者慣行の株数である2300株/10 aと同20%減の1800株/10 aのいずれの栽植密度においても,株当たり本数1~6本について比較したところ,株当たり本数4本が最適であった.2011年の試験においては,単位面積当たりの株数について比較したところ,生産者慣行の35%減の1500株/10 aでは,慣行に比べて子実重が平均で11%低下したが,1800株/10 aでは平均で5%の低下にとどまった.また,生産者慣行株数での子実重が低い値を示した圃場ほど疎植による減収が大きい傾向にあった.さらに,熱水抽出性窒素が低い圃場ほど低収になり,疎植による減収率も高い傾向があった.2012年における資材費と労働費による試算例では,栽植密度を1800株/10 aとした場合の収益が2300株/10 aと一致する減収比率は,単収が400 kg/10 aの高収圃場で約5%,300 kg/10 aの平均収量圃場で約7%,200 kg/10 aの低収圃場で約10%であった.生産者9圃場の試験で,栽植密度を慣行から1800株/10 aに減らして栽培しても平均収量以上を示す7箇所の圃場における減収程度は,いずれにおいても5%以下であり,慣行の栽植密度で栽培した以上の収益の確保が可能であり,支柱竹を扱う労働時間を2割減らすことができると推察した.

収録刊行物

参考文献 (1)*注記

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