除草剤ベンチオカーブに関する研究 : 第2報 処理時期ならびに処理濃度の相違がヒエの形態形成におよぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on a Herbicide, Benthiocarb : II. Effects of different amounts of benthiocarb treated at different growth stages on the morphogenesis of barnyardgrass
  • 除草剤ベンチオカーブに関する研究-2-処理時期ならびに処理濃度の相違がヒエの形態形成におよぼす影響〔英文〕
  • ジョソウザイ ベンチオカーブ ニカンスルケンキュウ 2 ショリ ジキ ナラビニ

この論文をさがす

抄録

ベンチオカーブの処理濃度や処理時期をかえて, ヒエにあらわれる外部形態的異常の発生状況を調べた。得られた結果は次の通りである。1. ベンチオカーブは非ホルモン系除草剤であるが, いずれの場合もヒエに対して形態形成的な異常を誘発した。2. 異常発生は処理時期によって異なり, 本実験の範囲では高濃度ほど早く, かつ顕著であった。3. 出芽前処理においては, 致死濃度でも発芽はするが, 鞘葉からの葉の出葉が妨げられその後の生育が阻止された。致死濃度以下では, 生育が抑制され, 葉に湾曲, 波状化, 筒状化, 亀裂, 輪状化, よじれなどの異常が現われると同時に, 長さが短かく巾の広い厚い葉が形成された。4. 出芽後処理においては, 上記のほか, 二つの葉の密着や癒着, 一枚の葉のラミナジョイントの分離, 巾の細い短葉などがみられるとともに異常小穂をもった短い穂が現われた。5. 処理前に展開している葉にはいかなる異常も現われず, 処理時に伸長期にあるもの, または処理直後発生した葉に異常が現われた。6. 筒状葉は葉鞘と葉身の両翼, または葉鞘か葉身の両翼が内側にまきこみ, 連続的または非連続的に小なりあうか癒着することによって形成される。この筒状葉の形成は葉の始原体期におこると考えられる。7. 筒状葉の発生する葉位は処理時期によって異なり, 出芽前処理では第1, 2, 3葉に, 播種後10日期処理では第4, 5, 6葉に, 20日期処理では第7, 8, 9葉に, 30日期処理では第9, 10, 11葉に, また55期処理では止葉およびそれ以下第1, 第2葉に現われる。8. 異常構造をもつ小穂は播種後20日, 30日期処理区のみに現われた。異常小穂は穂の主軸および一次枝梗の尖端部分に多く現われる。9. 処理時期のいかんを問わず, 処理により草丈, 穂長の短縮, 一穂あたり一次枝梗数, 小穂数の減少がみられ, 茎数, 穂数は増加を示す。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ