淡色黒ボク土壌におけるリン酸・カリウム無施肥が バレイショの生育と収量及びジャガイモそうか病に与える影響

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タイトル別名
  • Cultivation of Potato (Solanum tuberrosum) without Phosphorus and Potassium Fertilization in Abashiri Area
  • タンショク コク ボク ドジョウ ニ オケル リンサン ・ カリウム ムセヒ ガ バレイショ ノ セイイク ト シュウリョウ オヨビ ジャガイモソウ カ ヤマイ ニ アタエル エイキョウ

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抄録

土壌中の有効態リン酸と交換性カリウムの含有量が北海道の畑地土壌診断基準値以上である淡色黒ボク土壌において,リン酸とカリウム肥料をともに無施用とした場合のバレイショ生育と収量およびジャガイモそうか病発病に与える影響について2007年から3カ年にわたり現地生産圃場を用いて検討を行った.その結果,圃場の土壌水分状態に関わらずリン酸・カリウム無施肥区の有効態リン酸と交換性カリウムの含有量は,リン酸・カリウム施肥区に比べて低く推移したが,年間減少量はそれぞれ –6 mg kg-1,88 mg kg-1であり,土壌診断基準値を大幅に低下することはなかった.リン酸・カリウム無施肥区の茎長,茎数,塊茎数,塊茎重量およびテンプン含有率は,リン酸・カリウム施肥区に比べて有意な低下は認められなかった.一方,リン酸とカリウム肥料の無施用によるジャガイモそうか病の有意な発病抑制効果は認められなかった.以上の結果から,有効態リン酸と交換性カリウムの含有量が土壌診断基準値以上にある淡色黒ボク土壌においては,リン酸肥料とカリウム肥料をともに無施用としても現在の収量を低下させることなく,低投入型のバレイショ生産が行えることが明らかとなった.さらに,最低2年間のリン酸肥料とカリウム肥料の無施用によっても有効態リン酸と交換性カリウムの含有量を土壌診断基準の最低値以上に維持できることが示唆された.

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