ダイズ品種の発育モデルの作成と気温上昇が発育速度に及ぼす影響の広域推定

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タイトル別名
  • Modeling of Phenological Development Stages and Impact of Elevated Air Temperature on the Phenological Development of Soybean Cultivars in Japan
  • ダイズ ヒンシュ ノ ハツイク モデル ノ サクセイ ト キオン ジョウショウ ガ ハツイク ソクド ニ オヨボス エイキョウ ノ コウイキ スイテイ

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抄録

我が国のダイズ主要品種であるリュウホウ,エンレイ,フクユタカの発育モデルを作成し,気温上昇がダイズの発育に及ぼす影響を「メッシュ農業気象データ」を用いて広域的に推定した.発育モデルによる推定値と実測値との誤差は,出芽期~開花期で1.4~2.2日,開花期~子実肥大始期で1.2~2.8日になった.また,温度勾配チャンバーにおける気温上昇処理の結果も圃場試験と同一のパラメータにより推定可能であった.気温の変化による発育速度の変化は,中生品種であるリュウホウとエンレイで大きく,晩生品種のフクユタカで小さかった.平均気温から3℃の上昇を想定した場合の発育への影響は,播種期が早く気温が低い東日本で影響が大きく,開花期が5~7日程度早まる地域もみられた.一方,播種期が遅く温暖な九州では気温上昇による発育への影響はほとんどみられなかった.東日本では発育速度の温度反応性が比較的大きい中生品種を用いていることに加え,栽培期間の気温が温度反応性の大きくなる温度域と近いため,気温上昇による発育速度への影響が大きくなったものと推察された.

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