An overview of links between stream and other ecosystems(<Feature 1>Processes at boundaries between stream and other ecosystems)

  • Mori Terutaka
    Aqua Restoration Research Center, Public Works Research Institute:(Present office)Graduate School of Arts and Sciences, The University of Tokyo
  • Ishikawa Naoto F.
    Center for Ecological Research, Kyoto University:(Present office)Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology

Bibliographic Information

Other Title
  • 特集のおわりに : 河川生態系の"つながり"に関する展望(<特集1>境界で起こるプロセスに注目して河川生態系を理解する)
  • 特集のおわりに : 河川生態系の“つながり”に関する展望
  • トクシュウ ノ オワリニ : カセン セイタイケイ ノ “ ツナガリ " ニ カンスル テンボウ

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流域スケールで見られる河川性生物群集の変異などを理解するために、「陸域と水域」、「上流域と下流域」の“つ ながり”に注目した概念(河川連続体仮説)が1980 年に発表された。これは対象とする河川区間で生じる事象について、区間内だけのプロセスだけでなく、陸域や上流域からの影響を考慮する必要があることを提示したものである。この概念を契機に、河川生態系と隣接する生態系との間にある“つながり”に注目した研究が進んだものの、既存研究の多くは、河川を上流から河口にかけて、一本の線(ライン)として捉えるものであった。しかし、流域スケールにおける河川は、水系ネットワークと呼ばれる樹木の枝ぶりに類似したネットワーク構造を示し、本流と支流がつながる「合流点」という環境が多数存在する。この合流点もしくは合流点下流部では、合流点上流部とは異なる環境や生物群集が存在することから、流域スケールでの河川生態系を理解するうえで、「本流-支流」のつながりも重要であると考えられる。そこで、本論文では特集号の総括として、様々なつながりを統合することで、河川生態系に対する理解を試みた河川連続体仮説について触れ、この概念以降の進展についてまとめる。さらに、既存研究ではあまり注目されてこなかった水系ネットワークに注目し、「陸域-水域」、「上流-下流」とともに「本流-支流」のつながりの重要性について紹介する。そして、「本流-支流」のつながりをネットワークの構造的な特徴と関連付けることで、流域スケール内での環境変異や生物群集のパターンだけでなく、流域間での変異に対しても理解が進む可能性があることを最後に提示する。

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