陸域生態系の地上観測ネットワークの相互連携に基づく生態系サービス評価研究の展開(<特集1>生態系サービスの総合的な指標化)

  • 三枝 信子
    国立研究開発法人国立環境研究所 地球環境研究センター
  • 林 真智
    国立研究開発法人国立環境研究所 地球環境研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Development of ecosystem service estimations based on inter-disciplinary research collaborations among terrestrial observation networks(<Feature 1>Integrated evaluation of ecosystem services)
  • 陸域生態系の地上観測ネットワークの相互連携に基づく生態系サービス評価研究の展開
  • リクイキ セイタイケイ ノ チジョウ カンソク ネットワーク ノ ソウゴ レンケイ ニ モトズク セイタイケイ サービス ヒョウカ ケンキュウ ノ テンカイ

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抄録

近年、陸域生態系と大気の間の熱・水・温室効果ガス交換量の長期観測ネットワーク(FLUXNET)、国際長期生態学研究ネットワーク(ILTER: International Long Term Ecological Research)、生物多様性観測ネットワーク(GEO-BON: Group on Earth Observations-Biodiversity Observation Network)などが、生態系レベルでの構造や機能、生物多様性に関わる世界規模の地上観測点のネットワークを構築し、データの共有と統合解析研究を進展させている。また、こうした地上観測ネットワークと生態系のリモートセンシングを専門とする研究者らが協力し、長期観測を実施している地上観測点やその周辺の地域において、異なる空間スケール(個体レベル・生態系レベルなど)での分光反射率の測定、画像データや分光特性に基づく生物季節(フェノロジー)のモニタリング、地上観測に加えて光学・レーザー・レーダーなどの機器を使った樹高やバイオマスの広域評価などを行い、衛星観測の高度な利用方法を開発している。こうした複数分野の地上観測ネットワークやリモートセンシングに基づく研究を連携して推進し、知見や経験、ならびにデータを共有することで、生態系が人間に与える多種多様な恩恵(生態系サービス)を定量化し、将来の気候の下での生態系サービスの変化を予測するための研究を加速することができると考えられる。

収録刊行物

  • 日本生態学会誌

    日本生態学会誌 65 (2), 115-124, 2015

    一般社団法人 日本生態学会

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