称念寺本堂の温湿度環境と床下部材の劣化状況

書誌事項

タイトル別名
  • Damages in structural timber and its environmental temperature and relative humidity at the main temple of Shonenji
  • ショウネンジ ホンドウ ノ オン シツド カンキョウ ト ユカシタ ブザイ ノ レッカ ジョウキョウ

この論文をさがす

抄録

木造建築物の構造部材の劣化状況と部材周囲の温湿度環境とのかかわりを検討するため, 寺院本堂の小屋, 床上, 床下の温湿度測定および部材の含水率測定および劣化診断を行った。温湿度測定より, 小屋は日射の影響を受け, 春期から夏期にかけて高温になりやすく, 床上は軒下とほぼ同様であった。床下においては, 西北, 中央および東北部は, 温度に対して相対湿度が高い傾向がみられ, その状態が続きやすいことがわかった。床下の南西, 西北付近で柱材脚部の含水率が高かった。また, 東部, 南部でも横方向からの吹き込みなどにより, 含水率が高い部材があった。床下柱材脚部で腐朽やシロアリなどの生物被害, 目やせなどが観察された。傷みが観察された材は含水率が高い傾向がみられた。木造建築物を長期間にわたって使用していくためには, 部材周囲の環境を整え, 部材の耐久性を維持していくことが求められる。

収録刊行物

  • 木材保存

    木材保存 39 (3), 125-139, 2013

    公益社団法人 日本木材保存協会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ