皮膚症状に対しタクロリムスが有効であったAmyopathic Dermatomyositisの1例

  • 竹尾 直子
    大分大学医学部生体分子構造制御講座皮膚科
  • 石川 一志
    大分大学医学部生体分子構造制御講座皮膚科
  • 藤原 作平
    大分大学医学部生体分子構造制御講座皮膚科
  • 松島 いとみ
    大分大学医学部生体分子構造制御講座第1内科·膠原病班
  • 石井 宏治
    大分大学医学部生体分子構造制御講座第1内科·膠原病班

書誌事項

タイトル別名
  • Successful Treatment with Tacrolimum for Skin Lesions in Amyopathic Dermatomyositis
  • 症例 皮膚症状に対しタクロリムスが有効であったAmyopathic Dermatomyositisの1例
  • ショウレイ ヒフ ショウジョウ ニ タイシ タクロリムス ガ ユウコウ デ アッタ Amyopathic Dermatomyositis ノ 1レイ

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説明

69歳,女性。2005年6月より食欲低下,咳嗽,微熱,多発性関節痛を生じ,8月に全身性に暗赤色紅斑が出現した。ヘリオトロープ疹,Gottron徴候,間質性肺炎を認め,KL-6の上昇を伴ったが,筋原性酵素の上昇や筋症状を認めず,プレドニゾロン40mgにて紅斑は消退傾向となった。8月下旬より間質性肺炎の増悪があり,同時期に背部から腰部にかけて小膿疱が多発し,右2指化膿性伸筋腱炎,舌潰瘍,右肩部皮膚潰瘍,両側臀部皮下硬結と左臀部皮下硬結部に皮膚潰瘍を形成した。メチルプレドニゾロンのミニパルス療法を施行し,間質性肺炎は軽快しKL-6も減少傾向となったが,右肩部皮膚潰瘍,左臀部皮膚潰瘍が難治であったため,プレドニゾロンに加えγグロブリン大量療法,シクロホスファミドパルス療法,タクロリムス投与を行った。その結果皮膚潰瘍は縮小し右肩部,左臀部の皮膚潰瘍は縫縮術を施行した。肝機能悪化を認め薬剤性肝機能障害を疑い,タクロリムスを2ヵ月間中断していたところ,躯幹,四肢に紅斑が出没するようになり,2005年12月に紅斑が増強し再びKL-6の上昇がみられたため,タクロリムスを再開したところ,副作用の発現は無く皮疹は消退傾向を認め,又KL-6も徐々に低下しプレドニゾロンの減量が可能となった。このことからタクロリムスが本症例において有効であったと考えられた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 69 (6), 595-600, 2007

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (20)*注記

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