銀皮症における色素沈着についての実験的研究

書誌事項

タイトル別名
  • Experimantal Study on the Hyperpigmentation of Generalized Argyria
  • Experimental study on the hyperpigmentation of generalized argyria - Using rabbits with oral administration of AgNO3.
  • —Using Rabbits with Oral Administration of AgNO<SUB>3</SUB>—
  • —硝酸銀内服ウサギを用いて—

説明

0.2gの硝酸銀を含有するオリーブ油懸濁液を9羽のウサギに連日, 1日1回経口投与し, これを蛍光灯照射群6羽, 非照射群3羽の2群に分けた。オリーブ油のみを同様に投与する3羽のウサギからなる第3群をコントロール群とした。肉眼的, 光顕的ならびに定量的に, これら3群における皮膚および内臓の色素沈着と銀粒子沈着の相違を内服後40, 70, 125日目に比較検討した。成績は以下に示すごとくである。1)皮膚においては, いかなる時期でも3群とも臨床的になんら色素沈着はみられなかつた。しかし, 毛嚢の基底膜部に銀粒子がごくわずかながら見出され, 2∼5ppmの銀が硝酸銀を14g, 25g投与した場合検出された。2)腸管においては, 硝酸銀を14g, 25g投与後にごく軽度の色素沈着を認めたが, 皮膚におけるとおおむね同じ量の銀が検出されたに過ぎない。3)腎および肝では硝酸銀が8g投与された時点でさえ明らかな色素沈着が見られ, それは投与総量の増加とともにより強くなつた。腎における銀粒子の沈着は硝酸銀25gの投与では皮膚よりも髄質においてより多量に検出された。4)ウサギ皮膚が明らかな色素沈着を示さない理由としては, 外分泌腺であるエクリン腺, 脂腺を欠くためと考えられる。結論的には, 汎発性(全身性)銀皮症における青灰色色素沈着は主として銀粒子の沈着によるものである。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 50 (6), 1055-1059, 1988

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (4)*注記

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204299075712
  • NII論文ID
    130004473383
  • DOI
    10.2336/nishinihonhifu.50.1055
  • ISSN
    18804047
    03869784
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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