成人型難治性アトピー性皮膚炎に対するヒスタグロビンとケトチフェン併用療法の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on combined therapy of histaglobin and ketotifen for adult type intractable atopic dermatitis.

この論文をさがす

説明

成人型難治性アトピー性皮膚炎に対するヒスタグロビン(HG)と抗アレルギー剤ケトチフェンとの併用効果を検討するために, HGとケトチフェン併用群(A群)とケトチフェン単独群(B群)との比較試験を行い, 以下の成績を得た。1)全般改善度では, 中等度改善以上はA群85.0%, B群65.0%, 軽度改善以上はA群95.0%, B群90.0%でA群が有意に優れていた。2)有用度では, 有用以上はA群80.0%, B群40.0%, やや有用以上はA群95.0%, B群90.0%で両群間にきわめて有意な差を認めた。3)症状別重症度では最終観察日に紅斑, 丘疹, 落屑, および苔癬化でA群が有意に優れ, 全般重症度でも有意差が認められた。4)症状別改善度では, 丘疹, 落屑, および苔癬化でA群が有意に優れていた。5)ステロイド剤の使用量では, A群, B群とも有意な減量効果が認められたが, 両群間に有意差は認められなかつた。6)副作用では, A群2例, B群6例に眠気が認められたが, ケトチフェンによるものと思われた。その他重篤な副作用は認められなかつた。以上より, HGとケトチフェン併用療法は成人型難治性アトピー性皮膚炎に対して有用性の高い治療法と考えられた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 51 (5), 988-994, 1989

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (5)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ