皮下脂肪肉芽腫症(Rothmann‐Makai症侯群)様皮疹にて発症したT Cell Lymphoma

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of T Cell Lymphoma Initially Diagnosed as Lipogranulomatosis Subcutanea(Rothmann-Makai Syndrome).

説明

57歳の女性。初診時全身に胡桃大までの皮下結節が多発し, その組織像は脂肪小葉内へリンパ球, 組織球, 好中球が浸潤し(lobular panniculitis), 巨細胞, 泡沫細胞などを混ずる脂肪肉芽腫の像を呈した。他に全身症状を認めず皮下脂肪肉芽腫症(Rothmann-Makai症候群)と診断し, 安静保持を行ったところ約2ヵ月にて皮疹は消褪した。半年後皮下結節が多数再発, 潰瘍を形成した。組織学的に真皮から皮下の血管周囲に稠密な中型の異型リンパ球(MT1, UCHL1陽性, L26陰性)の浸潤を認め, T cell lymphomaと診断した。また鼻粘膜, 鼠徑リンパ節への腫瘍の浸潤を認め, 画像所見上膵, 腎への浸潤も疑われた。各種化学療法を行うも初診から約1年半後に死亡した。自験例は皮下の脂肪肉芽腫様病変で初発後多臓器に浸潤したT cell lymphomaであり, 現在ではperipheral T cell lymphomaの1型と考えられているlymphomatoid granulomatosis類似の臨床経過をとった例と考えた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 56 (5), 984-991, 1994

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (16)*注記

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204299969152
  • NII論文ID
    130004831001
  • DOI
    10.2336/nishinihonhifu.56.984
  • ISSN
    18804047
    03869784
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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