アトピー性皮膚炎に対する民間療法の実態調査

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タイトル別名
  • Alternative Treatments for Atopic Dermatitis: Classification of the Treatments and a Questionnaire Study.
  • Classification of the Treatments and a Questionnaire Study
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説明

近年我が国において,アトピー性皮膚炎を対象として行われているいわゆる民間療法の内容を調査し,整理·分類した。また過去に広島大学医学部皮膚科を受診したことのあるアトピー性皮膚炎患者を対象としてアンケート調査を行い,これらの療法の施行実態を分析した。その結果,少なくとも148種類の素材または成分が利用され,ほとんどの療法は,それらを単一または組み合わせて「皮膚につける」「飲む」「食べる」「つかる」あるいは「洗う」ことにより成り立っていた。アンケートでは301人より回答を得,そのうちの203人(67.4%)の患者が何らかの民間療法の経験があった。医療機関に対する満足度では,民間療法施行群,未施行群での違いは認められなかったが,重症の患者ほど多くの療法を試みており,94人(46.3%)が副腎皮質ステロイドの使用を避けたかったことを理由にあげていた。有効性については85人(41.9%)の患者が症状が改善したと回答したが,特定の療法または患者背景に特異性はなく,20人(9.8%)は逆に悪化したと回答した。従って,これらの療法の有効性には偶発性が高く,いずれもアトピー性皮膚炎の一般的治療手段としては不適切なものと結論づけられる。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 62 (1), 83-88, 2000

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (15)*注記

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