自然消退,発症を繰り返した CD30 陽性成人 T 細胞性白血病リンパ腫の1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of CD30-Positive Adult T-Cell Leukemia/Lymphoma Presenting Spontaneous Regression and Recurrence of Skin Lesions
  • 症例 自然消退,発症を繰り返したCD30陽性成人T細胞性白血病リンパ腫の1例
  • ショウレイ シゼンショウタイ,ハッショウ オ クリカエシタ CD30 ヨウセイ セイジン Tサイボウセイ ハッケツビョウ リンパシュ ノ 1レイ

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抄録

79 歳,女性。発症時期は不明であるが,四肢を中心に紅色結節が出現し,数週から数カ月で自然消退し,その後新たな部位に紅色結節が出現する経過を繰り返していた。2011年1月頃左手関節近傍に紅色結節が出現したが,消退せず当科を受診した。病理組織学的に多数の CD30 陽性腫瘍細胞の浸潤がみられ,他の表面免疫形質も併せ未分化大細胞性リンパ腫と考えられた。しかし,血清中の抗 HTLV-1 抗体が陽性で,右前腕の結節から採取した検体を用いたサザンブロット法で HTLV-1 proviral DNA monoclonality が確認されたことから,再度詳細に血清学的,免疫組織学的に検討し,CD30 陽性を呈した皮膚型の成人T細胞性白血病・リンパ腫 (ATLL) の皮膚浸潤と診断した。結節部位に電子線治療を照射し略治した。本例のように腫瘍細胞が CD30 陽性を示す ATLL で自然消退と再発を繰り返す症例の報告は調べた限り,極めて稀であった。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 76 (3), 210-213, 2014

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (4)*注記

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