急性骨髄性白血病の化学療法中に生じた播種性 <i>Fusarium</i> 感染症の 1 例

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タイトル別名
  • A Case of Disseminative <i>Fusarium Infection</i> during Chemotherapy of Acute Myelocytic Leukemia
  • 症例 急性骨髄性白血病の化学療法中に生じた播種性Fusarium感染症の1例
  • ショウレイ キュウセイ コツズイセイ ハッケツビョウ ノ カガク リョウホウ チュウ ニ ショウジタ ハシュセイ Fusarium カンセンショウ ノ 1レイ
  • A Case of Disseminative Fusarium Infection during Chemotherapy of Acute Myelocytic Leukemia

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抄録

62 歳,女性。初診の 8 ヵ月前より急性骨髄性白血病に対して化学療法中であった。塩酸シプロフロキサシン,イトラコナゾールの予防投与が行われていたが,発熱とともに,体幹,四肢に有痛性の紅斑が出現した。四肢,臀部に小指頭大から鶏卵大までの皮下硬結を伴う境界不明瞭な紅斑が十数個散在しており,強い圧痛と局所熱感を伴っていた。病理組織像では,皮下に膿瘍形成がみられ,PAS 染色陽性を示す胞子および菌糸成分を多数認めた。スライドカルチャーで,隔壁を持つ三日月型の大分生子を認め,播種性 Fusarium 感染症と診断した。ボリコナゾールの投与を開始し,皮疹は改善。投与 6 ヵ月後に,残存する皮下硬結を摘出し病理組織を確認したが,菌体成分は認めなかった。免疫低下患者,特に血液疾患患者において有痛性の紅斑,皮下硬結などの皮疹をみた場合,播種性 Fusarium 感染症を念頭におくことが重要である。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 74 (6), 623-626, 2012

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (5)*注記

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