プロテイン S 欠乏症による難治性下腿潰瘍の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Leg Ulcer Resulting from Protein S Deficiency
  • 症例 プロテインS欠乏症による難治性下腿潰瘍の1例
  • ショウレイ プロテイン S ケツボウショウ ニ ヨル ナンチセイ カタイ カイヨウ ノ 1レイ

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説明

22 歳,男性。数年前より他院で若年性関節リウマチの疑いで,プレドニゾロン 20 mg/日とワルファリン5 mg/日を内服していた。9 カ月前より左下腿に潰瘍が出現した。他院で外用加療するも改善せず当科受診した。初診時,左下腿に褐色の色素沈着を伴う 1 × 1 cm から 4 × 6 cm までの疼痛を伴う潰瘍が数個存在し,潰瘍底部には壊死組織と白色の硬い小結節があった。病理組織では,静脈の閉塞像があり,血管内皮細胞と潰瘍底(白色結節)に Ca 沈着があった。下肢の静脈エコーで血栓と弁不全を認め,下腿造影CT で表在静脈の石灰化あり。血液検査にてプロテイン S 抗原 18%,プロテイン S 活性≦10%と低値であり,自験例をプロテイン S 欠乏症による下肢深部静脈血栓症が原因の下腿潰瘍と診断した。治療はヘパリン投与,下肢挙上と弾性ストッキングの使用を指導し,皮膚潰瘍治療薬の外用および人工真皮を用い,上皮化傾向を示した。プロテイン S 欠乏症による下腿潰瘍は非常に稀な疾患であるため報告するとともに,文献的考察を加えた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 77 (5), 461-464, 2015

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (5)*注記

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