てん菜の直播栽培における生育初期の風害を回避するための耐風害播種床に関する研究

  • 市来 秀之
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
  • NGUYEN Van Nang
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
  • 吉永 慶太
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
  • 宮崎 昌宏
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
  • 上加 裕子
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター/現在 : 愛媛大学農学部

書誌事項

タイトル別名
  • Wind-proof Seedbed for Reducing Wind Damage at Early Germination Stage of Direct Sowing Sugar Beet

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説明

てん菜直播栽培において,出芽直後の苗の生育初期では春先の強風で風害を受けやすく,てん菜直播が普及拡大しない1つの要因となっている。本研究では,てん菜直播の生育初期の風害回避について,播種位置の両側にΛ形状の防風壁を造成した播種床(以下,耐風害播種床)の有効性を明らかにすることを目的とした。風洞実験において,熱線風速計と粒子画像流速測定法(PIV)を使用して風速分布,および風速ベクトル分布を計測し,耐風害播種床周辺の気流状態を明らかにした。さらに,数値流体力学(CFD)によるシミュレーションで,耐風害播種床周辺の風速コンターを示した。測定およびシミュレーション結果に基づいて,高さ 5 cm のΛ型防風壁を造成する耐風害播種床形成機構を試作し,現地農家ほ場においてほ場試験を行った。ほ場試験では,てん菜播種機に装着した耐風害播種床形成機構によって,造成した耐風害播種床は降雨と強風により壁の高さが 1 cm 程度低くなったものの,播種深さには影響を与えず,播種位置の地面から高さ 1 cm の耐風害播種床の風速は,慣行播種床に比較して約 60 %低下することが示された。

収録刊行物

参考文献 (11)*注記

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