日本の男女学生における性的被害

  • 岩崎 直子
    大阪大学大学院人間科学研究科教育臨床心理学

書誌事項

タイトル別名
  • Sexual Victimization among Japanese College Students
  • Experiences in date/acquaintance rape and being “significant others” for the victims of sexual assaults
  • date/acquaintance rapeの経験および被害者にとっての“重要な他者”としての経験

説明

性的被害の実態と, 被害者および周囲の人々へのサポートに関するニーズを調べるため, 大学生を中心とした男女学生277名を対象に, 質問紙調査を実施した。さまざまな性的被害に関して具体的な行為を提示し, 調査実施時点までの被害経験率を調べたところ, 女性の74.0%および男性の25.0%が何らかの被害経験を持ち「レイプ既遂」の被害率は3.4%であった。そのすべてが「友人・知人」「恋人」などの「顔見知り」から被害を受けた“date/acquaintance rape (DAR)”の被害者であり, 社会に蔓延する“real”rape像にはあてはまらないことがわかった。一方, 被害者を身近でサポートする重要な他者 (=SOs) は, 時に自らも被害の影響を受けることが知られているが, 回答者の約3割は, 自分の身近な人が性的被害経験を持つSOsであった。そのうちの7割以上が自分自身のためにも「何らかのサポートが必要である」と感じていた。これらの結果から, 今後の調査研究と被害者支援の方向性について考察した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204317687424
  • NII論文ID
    130004113601
  • DOI
    10.11383/kokoronokenkou1986.15.2_52
  • ISSN
    21860246
    09126945
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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