落水後の水田水生生物群集の生息場所について

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タイトル別名
  • Spatial Distribution of Aquatic Organisms in a Paddy Field during the Off-crop Season under Drained Conditions

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抄録

愛知県安城農業技術センター内の水田において,水稲収穫後の水田土壌,刈株,およびコンバインによる収穫後放置された稲わらの部位に休眠状態で留まった水生生物群集の組成を調査した.調査は1998年10月から1999年3月まで実施した.水生生物群集は,主として目(order)のレベルで分類された.その結果,36種類の水生生物が確認された.水生生物群集の種類数が最も豊富であったのは刈株直下の表層土壌であった.最も乏しかったのは,土壌表層に散布放置された稲わらの上部の位置にある稲わらであった.得られた全調査試料から,水田水生生物群集の生息実態の特徴を知るために統計手法を用い主成分分析を行った.第一主成分と第二主成分から4種類の水生生物群集(双子葉植物綱(Dicotyl edonopsida),単子葉植物綱(Monocotyledonopsida),ウキクサ科(Lemanaceae),ポドコバ目(Podocopida))と2種類の水生生物群集(コルポダ目(Colpodida),ヒルガタワムシ目(Bdelloida)),および7種類の水生生物群集(羽状目(Pennales),ホシミドロ目(Zygnematales),ボルボックス目(Volvocida),タイヨウチュウ目(Actinophryda),ラッパムシ目(Heterotrichida),ハルテリア目(Oligotorichida),ナガミミズ目(Haplotaxida))は,それぞれ刈株間の土壌の部位,稲わらの部位,および刈株直下の土壌の部位において,主要な生物群集であることが明らかとなった.

収録刊行物

  • Edaphologia

    Edaphologia 68 (0), 23-31, 2001

    日本土壌動物学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (27)*注記

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