加齢と歯周組織
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- 下野 正基
- 東京歯科大学病理学第2講座
書誌事項
- タイトル別名
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- Agingand Periodontium
説明
加齢に伴う歯周組織の変化について概説した。歯肉では一般に上皮層の菲薄化, 角化現象の低下, 歯肉結合織の硝子化などがみられる。歯肉上皮の根尖側への遊走について, プラークによる炎症と歯の持続的能動的萌出説の両面から考察した。歯根膜の加齢に伴う変化として, 歯根膜空隙の狭窄傾向, 細胞成分の減少, 歯根膜線維の硝子化などがみられる。マラッセ上皮残遺の存在意義と加齢に伴う局在の変化についても述べた。老年者の歯槽骨には多孔性変化がみられるが, これは加齢に伴って骨添加能が減少し, 骨吸収能が増加したたあと考えられた。セメント質の新しい分類について述べ, これらのうち, 加齢に伴うセメント質の増加は細胞性混合重層性セメント質が関与していることを示唆した。以上のことから, 高齢者における歯周組織の再生について若干の考察を加えた。
収録刊行物
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- 老年歯科医学
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老年歯科医学 4 (1), 108-112, 1990
一般社団法人 日本老年歯科医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204332186880
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- NII論文ID
- 130004301037
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- ISSN
- 18847323
- 09143866
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可