粒子衝突解析に基づいたショットピーニングの表面改質効果に及ぼす飛翔速度の影響評価

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of shot peening velocity on surface modification effect induced by shot peening based on analysis of particle collision behavior
  • リュウシ ショウトツ カイセキ ニ モトズイタ ショットピーニング ノ ヒョウメン カイシツ コウカ ニ オヨボス ヒショウソクド ノ エイキョウ ヒョウカ

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説明

本研究では,従来のショットピーニングと比較して,微粒子を用いたピーニングが金属の微視組織の改質に有効である要因について検討を加えた.具体的には,高速度カメラによる粒子飛翔速度測定結果を基に有限要素法を用いた衝突シミュレーションを行い,ショットピーニングによる基材の塑性変形挙動に及ぼす投射粒子飛翔速度の影響について検討を行った.その結果,粒子衝突時に生じる基材の塑性ひずみは,投射粒子の寸法によらず粒子飛翔速度の増加に伴い増加する傾向を示した.このことは,投射粒子の飛翔速度が,基材の塑性ひずみを支配する最重要因子であることを示すものである.また,基材の塑性変形エネルギーは,ショットピーニングを施した場合において高い値を示したが,単位塑性変形領域当たりの総塑性変形エネルギーで整理した場合,投射材粒径の小寸法化に伴い増加する傾向を示した.以上の結果は,微粒子を用いたピーニングが被処理材表面の微視組織変化に有効であることを示唆するものである.なお,実験結果から得られた総塑性変形エネルギーと解析値はほぼ一致したことから,粒子飛翔速度を用いた本シミュレーションによって粒子衝突現象を再現することが可能であると考えられる.

収録刊行物

  • 砥粒加工学会誌

    砥粒加工学会誌 59 (9), 525-530, 2015

    公益社団法人 砥粒加工学会

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