模擬ラッピング中の砥粒による切りくず排出の可視化

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  • Visualization of chip formation by abrasive grain in modified lapping
  • モギ ラッピング チュウ ノ トリュウ ニ ヨル キリクズハイシュツ ノ カシカ

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抄録

ラッピング加工は, 加工物とラップ定盤の間に砥粒を挟み, 両者の間に圧力をかけた状態でしゅう動運動をさせることによって, 砥粒に加工物を微小除去させ表面仕上げを行う加工法である. その加工機構は, 定盤に固定または定盤上で移動する砥粒先端 (エッジ) が加工物を微小切削する, あるいはメカノケミカルな反応が付随して材料除去が行われる等とされてきた. ところが, これらの詳細については, メカノケミカル反応を除きほとんど明らかにされていないのが現状である. 本研究では, 模擬した低速ラッピング加工中における砥粒の材料除去状態を可視化し, 当該加工に関する詳しい情報を得ようとしている. #32WA砥粒と透明な定盤や加工物を使用した加工状態を, 顕微装置付きCCDカメラを介して可視化して観察した結果, 作用する砥粒のエッジが切りくずを排出しながら加工物を微小切削すること, 適度に軟質な定盤は砥粒保持や仕上げ面粗さへの影響が良いこと, および, 切りくずの大きさは十数μm程度以下であることを明らかにしている. また, 模擬ラッピングにおける砥粒保持力の差と切りくず排出傾向の関係が, 汎用ラップ盤を用いて構造用炭素鋼を湿式ラッピング加工した結果と類似の傾向にあることを確認している.

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